サロマ湖100kmマラソンへの道 最終回

僕達は、吸い込まれるようにワッカの原生林の手前にある雑木林にはいって行く

ここから約10kmワッカの折り返しへ向け走らなければならない。往復20km、最後の山なのだ
遂に雑木林の中に待望の80kの喚問を見つけた

「あと、2分で閉めるよー」

と大会スタッフが、叫んでいる横を通過。
80kのラップは、9時間58分02秒、5kのスプリットタイムは、37分29秒、平均脈拍145

「歩きましょう。」

佐藤さんと僕は、先程から80kmの関門をクリアしたら自分達へのご褒美に歩くことをふたりで固く決めていたのだ。
程よく80k付近は、上り坂になっており歩いてもさほど罪悪感を感じない

登りきるとワッカの原生林が、眼下に広がる。確か夜久さんの本の裏表紙が同じ景色だった気がする。
とても美しい幻想的な景色だが僕達の一番の興味は、

「ワッカの折り返しは何処なんだ?」

ということなのだが、残念ながら遥か先で確認できない
むこうから続々とランナーが、折り返してくる。僕達より20kも先を走っている計算だ。

この先に、チェックが、無ければ回れ右して復路のランナーに紛れ込みたい気分を抑え僕達は、再び走り始めた。
ワッカの原生林に入り初めてのエイドに着くと折り返して来た水分補給をしている夜久さんを見つけた。僕は、精一杯元気を出して

「夜久さーん」

と、声を掛けると

「ああ~」

右手を挙げて応えてくれた

僕より2時間位早くゴールする事が予想される夜久さんでも顔に随分疲労の色が見えた。多分僕はもっと情けない顔をしているんだろう。

85kのラップは、10時間41分17秒、5kのスプリットは、43分15秒、平均脈拍139.
この頃になると1キロごとの表示が、恋しくて仕方が無い。キロ表示を、見つけると、佐藤さんと

「いた、いたー」

と叫ぶ、まるで待ち合わせしていて見つからなっかった恋人を見つけた感じだ

おり返しコースの方に(ランナーが左側通行しているだけで明確な区別は、ないのだが、)90kの喚問を見つけた。
時計は、4時を回ったところスタートしてから11時間経った。90kの喚問は、4時半だ。

「あと、30分だぞー帰って来いよー」

大会スッタフが、ランナーに暖かく声をかけている.
北海道くんだりまで来てうえに85kも走ったのだ。

「絶対帰って来るぞ。」

と、強く自分に誓い、ワッカのおり返しへ向けひた走る
折り返してくるランナーーに中に原先生がいた。4時間ぶりの再会だ

「もうすぐおり返しだよ」

「ほんと・・」

一言だけ言葉を交わしすれちがう。
この言葉を信じてしばらくすると、あった、あった、ワッカのおり返しを見つけた。
小さな橋を渡りおり返す。ここで僕は、佐藤さんに

「僕、歩きます。」

と、話しかけると、

「じゃ、先に行かせていただきます。」

丁寧な返事をして彼は、先行して行った。
最期の90kの喚問を5分前に通過、ラップは、11時間25分07秒、5kのスプリットタイムは、43分50秒平均脈拍は139.

ここからは、独りで走らなければならないのだ

子供達の写真を見て気力を振り絞り走り出すが、長続きしない

気力は、あっても脚が言うことをきかない。まるで鉛の様である。むこうからワッカの折り返しへこれから向かうランナーが、来た。

90kmの関門をクリアするのは、ほぼ不可能と思われるにも拘わらず走り続けるランナーに感動をおぼえる
95kのラップは、12時間09分42秒、5kのスプリットタイムは、44分34秒、平均脈拍136。

再び前を走っている佐藤さんに追いついた。
既に僕の右足首は、一歩一歩着地するたびに悲鳴をあげている。佐藤さんに

「足首痛くないですか?」

と、同調を求めると

「脚っすか?全部痛いっス。」

との答、僕だけ辛い訳でないことを知って自分を奮い立たせる
僕達は、やっとワッカの原生林の出口にある雑木林に入って行くことができた。ワッカに向かう時にあった80kの喚問が撤収しているところだった。僕は、歩き始めたため、再び佐藤さんが先行した。

ワッカの原生林を出たところで歩いていると98kの手前で25kから一緒に走ったトライアスロンのお母さんに追いつかれた。
彼女は、不安そうというより悲壮な声で

「完走できるやろかー?完走できるやろかー?」

と、言いながら走っている。彼女の後ろに走る男性ランナーが、

「大丈夫!絶対完走出来る。」

と励ましている。残り2kちょっと残り時間は、20分ちょっとある。僕は、体はもちろん辛いことは確かだが

「充分完走できるはず。」

と確信しているのだが、彼女は、先程は顔で笑ってはいたが、一度目のリタイヤが、よほど、悔しかったのだろう少しパニックに落ち入っているようで
(そりゃそうだ、皆、100k走る為、何ヶ月も前より準備をしている筈なのだから。)
彼女は、泣きながら

「脚が、痛い。痛くて走れへん。でも走らんとなあー」

と言いながら僕を抜いて行く。

僕は、今一度、お産とウルトラマラソンどちらが、辛いか聞きたっかったが、とても聞ける状態では、無い。
さすがにずうずうしい僕も聞けなっかった

最期と思われるエイドステイションの高校生達が、

「あと、2Kです。がんばってください。」

と、応援してくれた。

「98k地点は、何処?」

と、聞くと「そこの角を曲がった所です。」 と親切に教えてくれる。
角を曲がり98k地点をクリア!

とうとうあと2kだ

最期の直線道路を殆ど歩いて99k地点に、辿り着く。残り10分ちょっと、完走は、確実と確信し歩く。自分に優しい僕は、完走さえできれば、制限時間ぎりぎりで充分だと思いなるべく歩く
富士五湖の80kmだって4秒前のゴールだったのだ、今回は、2,3分前にゴールできる筈だ余裕たっぷりである

ゴールの方から完走し終わったと思われるランナーが、走って来る。

仲間のランナーを心配して迎えに行っているのだ。100km完走した後によく体力と気力が、残っているもんだと感心する。
先にゴールしたと思われる原先生は、もちろん迎えに来ない

非公式に残り500mの表示がある。残りは5分。最期くらいは、走ってゴールをしようと思い走り出す。
ゴールは、最期、右に曲がって約50mの所にある。

その曲がり角の手前にゴールしたと思われる3人の男性が、このレースのパンフレットを一生懸命見てる。

すると

「さたけ、完走、万歳、万歳。」

と、連呼してくれる!

ゼッケンを見て急いでパンフレットから選手名を探して万歳讃晶してくれているのだ。とてもありがたい

最期の角を右に曲がると50m先にゴールが見えた。ゴールの写真をどのように撮って貰おうかと考えながらゴールを目指す。

右手を高くあげ人差し指を突き出し、まるで一番の様にゴールする

タイムは、12時58分15秒、制限時間13時間まで1分45秒を残してのゴールだった

原先生と佐藤さんがゴールで待っていてくれ佐藤さんとは、完走の健闘を称え合いお別れする。完走メダルを貰い
(今まで完走メダルを貰っても嬉しくなかったが、このメダルだけは、別格である。)

近くの体育館の一角で着替えをするがこれがまたとても辛い。靴下を脱いだり履いたりするため中腰の態勢が筆舌しがたく辛い。油断するとすぐ脚が攣りそうになる。

10分くらいかかってやっとのこと着替えを終えて、公衆電話を探し妻へ完走の吉報を報告する。

原先生と脚をひきずりながら完走パーティーの開催されている体育館へ向かうが、ちょとした段差があるととても辛い。
やっとこさ体育館に辿り着くと座る場所がないくらいに賑やかにパーティが開かれている。

僕達は、制限ぎりぎりでゴールしたためもはや食べ物は残り少なくなっている。

焼き鳥やフライをつまみにビールで原先生と祝杯をあげながら、本にサインが欲しい僕は、夜久さんを探すが、残念ながら見つけることができない脚も痛くて探すのも辛い。

とうとうサインは、諦めることに・・

ホテルへ帰るバスの時間が、迫ってきたため後ろ髪を引かれる様にパーティをあとにした。

ゴールの時の写真が、もう現像してあり自分の写真を探してこれを買い求め帰りのバスに乗り込むと10分程でサロマ湖東急リゾートに着いてしまう。

レースの時には、この30kmを4時間も掛けてやっとのことで走り抜いたのにものの10分で着くとは、車の便利さに改めて感心するのだった

ホテルについてシャワーを浴びてホテルの食事を摂りに原先生と伴にレストランへ降りる。
階段を降りると脚に激痛が走るため1階降りるのにもエレベーターが乗らざるを得ない。

原先生と再び祝杯をあげバイキング形式の夕食をとるが,人間あまりに疲れていると食事を摂るのも面倒になる。
あまり食が進まずそうそうに食事を切りあげ部屋に戻ってウィスキーを少し飲み足した後、疲れた身体をベッドに横たえる。

いつのまにか眠りに就くと寝返りをうつたび脚に激痛が走りそのつど起きる羽目になる。
寝返りをうつ時に脚を使うことを始めて知り何度も寝たり起きたりを繰り返し朝を迎えたのであった。

レースの次の日は、とても良い天気でとなった
1階の食堂にバイキング形式の朝食を摂りにサロマ湖が朝日を浴びていてとても美しい

食堂では、参加賞で貰ったグレーのポロシャツを着ている人達が大勢、食事を摂っている。

さすがに完走メダルを掛けている人はいなかったが皆、100kmを完走していとても満足げな清々しい顔をしている。きっと僕と原先生も同じ様な顔をしているんだろう。

多分、聞いてはくれないだろうが、100km完走の苦難と感動を家族に話すためにいそいそと家路に着いたのであった






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おしまい








                                        
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クリスマスプレゼント

クリスマスイブの土曜日は、連休の狭間と年末なのでさらなる混雑でした
夕方から以前より観たかった映画を銀座で観てきました

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内容は、ナチスドイツがデンマークに設置した地雷を戦後にドイツの少年兵が、撤去するというお話しで胸がつまされるような内容でした
全国で二館しか上映していないのですが、とても良い映画でしたが、クリスマスイブ向きの映画じゃ無かったです

家に帰るともうこの何年もクリスマスプレゼントなどありませんでしたがサンタからプレゼントが

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一風堂のプレミアム会員へのどんぶりと麺とお箸の詰め合わせ

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言うまでもなく夢にまで見た2度目のプレミアムカードをゲットォ

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このカードで僕を含めた同伴者4人まで玉子と替え玉のサービスが、1年間受けられます
日曜日の午前中は、ジョギングクラブのの例会です
90分分走って年末恒例の公園1周のタイムトライアル

初めてまじめに走って1周 9分5秒 キロ4分18秒で走りきりました
その後も恒例の公園大掃除をしてお世話になっている公園に恩返しをしました

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そしてプレミアムカードを頂いたお礼に一風堂でまたもや味噌ラーメンを堪能しました

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家に帰ってシャワーを浴びて午後からは、横浜スタジアムへ
関東と関西の2位同士が戦う横浜で行われる東京ボウル

慶応対立命館の対戦を楽しみにして行って来ましたが、前半で試合終了のワンサイドゲームでした


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前半で34対3
慶応やる気あるのかと思うような試合内容だったので前半で帰ってきました

夜は、自宅で家族と食事とケーキを食べて楽しいクリスマスを過ごせました


みなさま、ブログの更新は、今年は今年で終わりだと思います


100kmマラソンは、年内にゴールにたどり着けず申しわけありません

1年間元気に健康で診療にジョギングに楽しい一年を過ごせたことを感謝したいと思います

また来年よろしく御願いします





天皇誕生日の佐竹選手

22日は、午後から時間があったので岡田君のファンの次女と海賊と呼ばれた男達を観てきました

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こんな映画を観られるようになった次女も成長したもんだと感慨深い気持ちになりました

天皇誕生日は、朝から暖かく公園をマッタリ仲間と走ります
ハンガリー人のAさんも参加してジョギングしながら英会話教室ですが、エミねぇとの会話になかなかついて行けませんが、ダラダラ28km走って一風堂で仲間とランチです

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期間限定の味噌ラーメンがあったので頼まずにいられません
なかなか美味しくて大満足

家に帰ってシャワーを浴びて13時からテニススクールへ
普段は、1時間20分のスクールですが、コーチからのクリスマスプレゼントでで2時間たんまりスクールをしてもらいました


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普段は、金曜日参加出来ないのですが、久々に会うテニス友達から

「この後もやっていこうよ!」

と誘われ小断れきれずさらに一時間仲間とプレーを楽しんで約3時間弱テニスを満喫しました

急いで帰ってマッハでシャワーを浴びて横浜の鷺沼にある医局の先輩のご自宅で直行してクリスマスパーティです

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1年ぶりにお目にかかって楽しい時間を過ごして午前様にはならなかったですけど土曜日のジョギングをサボったことは、言うまでもありません


実践仕事の英会話

ジョギングクラブの友人お一人に今年から入会したハンガリー人のAさんが、います!
仲の良いエミねぇの会社の人なので紹介されてこれまで一緒に何度も僕の拙い英会話でしゃべりながらジョグしたことは、ありました

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ハンガリー代表として一緒に出場した皇居駅伝に参加した彼の勇姿



彼は、謙遜して

「僕の英語は、ハンガリッシュ!」

などと言っていますが、英語を使って仕事をしているので母国語は、ハンガリー語ですが、僕の本格的なジャングリッシュとは、全くレベルが違います

その彼が、検診でちょっとした異常が見つかりさたけクリニックで検査を受けることになりました
それが、昨日が、彼の来院日
朝からクリニックに来てジャングリッシュで検査の段取りと説明をして午前中に検査は終了

検査することは、外国人の方でも問題ないのですが、当たり前ですが、結果を英語で説明をして質問を受け付けなければなりません

公園で彼と話す時は、雑談なので少々誤解が生まれても大きな問題になりませんし困ったらエミねぇやより子ネェさんなどのバイリンガルの会員の助けを求めれば、何とかなりますが、医学のことに関しては、間違って伝える訳にいきませんし、助けもいません

いざとなったら、電話で彼の秘書さんが通訳してくれる算段いなっていますが、おいそれと電話するのも心が引けます

検査を終えて大きな異常の無いことを片言の英語でなんとか結果を伝えて彼は、握手をして喜んで帰っていきました

日本とハンガリーの友好に寄与したちょっとした疲労感を感じた一日でした





ちなみに説明する時に一番役に立ったイディオムは、

Just in case

でした




週末の佐竹選手

土曜日朝は、寒くて寝坊・・・・
6kmだけ走って嵐のような土曜日の外来を終えると・

自転車飛ばしてロッテリアによってランチをテイクアウトして大井球場へ1時半キックオフのアメフトの観戦へ
友人の息子さんが、学習院でアメフトをしているのですが、2部で全敗をしてしまい3部の優勝校と大事な入れ替え戦です


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応援虚しく惜敗
3部降格が決まってしまいました

家に帰って急いで着替えてお台場のホテルへ
19時から出身医局の忘年会

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先輩のドクターとパチリ


予想通り日曜朝は、二日酔い

クラブ行事の皇居駅伝が、9時半スタート予定
近所に住んでるジョギングクラブのスーパー主婦ランナーカノッチと電車賃の節約も兼ねて頑張って皇居までおしゃべりジョグで行きました

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アップダウンのある皇居1周5kmを22分半で激走

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4人1チームの駅伝を11時頃に終えて再びカノッチとジョグで自宅へ・・・

13時から始まる学生王座決定戦の甲子園ボウルをTV観戦するため帰りは、贅沢して?高輪台駅から電車で帰りました

結局、25km位走って結構クタクタ

甲子園ボウルは、関学出身の知り合いいるため応援していた関学の2年ぶりの優勝でめでたしめでたし!
その後は、恵比寿にお出かけして18時からジョギングクラブの忘年会に参加です

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例年は、企画や進行役をしていましたが、今年からお役ご免となってのんびりお酒を飲めたのですが、幸か不幸か飲み過ぎてまたまた二日酔いでした

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忘年会は、盛りだくさんで盛り上がり楽しく過ごせて充実した二日酔いな週末でした



週末の佐竹選手

12月になってから外来も慌ただしく金曜日は、外来終わって19時半から医師会の理事会・・・
いつも長丁場で終わると10時前です

朝はちょっと寝坊してジョギングは、6kmどまり・・・
忙しい外来を終えて午後は、家に帰って一休み

その後は、友人とともにプチ忘年会でしたが、結局飲み過ぎて写真のデザートのケーキの記憶も今ひとつ

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日曜日は、二日酔いでジョギングクラブの例会へ

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二日酔いの中、何とか7周15km走って終了
その後は、駒沢公園で行われているアメフトの医科歯科リーグの試合を観戦

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その後は、家族が駒沢にある犬の幼稚園でクリスマスパーティーを楽しんでいるので合流

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僕は、会費を払っていなかったんですけどサンドイッチをご馳走になりました
その後は、ドッグランで愛犬イーストは、いろんな犬とお遊びして夕方まで遊んで帰りました

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日曜日は、わが家にとっては、駒沢公園は、ワンダーランドのようでした

月曜日は、仕事を終えて急いで東京ードームに行って社会人のアメリカンフットボールの決勝戦を観戦

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デフェンシブな試合でしたが、富士通フロンティアの優勝です

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帰ったら11時近くで今朝は、寝坊してジョギングも出来ませんでした





サロマ湖100kmウルトラマラソン 22

70kmのラップは、8時間40分21秒、5kmのスプリット35分49秒、平均脈拍、142
5分余裕をもって関門をクリアする。70kmの関門を過ぎ左に曲がると左手に文字通り雄大なサロマ湖が広がり、遠く前方にサロマ湖東急リゾートが、見えて来た

「どうせ今日は、あそこに泊まるのだからそのまま部屋に直行してベッドで横になったらどんなに楽だろう。」

こんな事を考えるなんて末期的な症状かも知れない。

ランナーズにウルトラマラソンの8割は、楽しく辛いのは、残りの2割と書いてあったが、あと30kmも残っているのに・・・

辛い…

僕は、独りになったことを良い事に歩き始めていたのだ。言い訳をいわせて貰えれば右の足首が痛いのだ
走ったり歩いたりしながらやっとのことサロマ湖東急リゾートに辿り着く。

名物のお汁粉が、置いてあるが手をつける気にならなかった。食べる量にもよるが血糖が、上がりそれに反応してインシュリンが過剰分泌され反応性の低血糖になってしまうからと判断したからなのだ

塩分をとってミネラルを補給しようと思いコーンスープを2杯手に取って一気に飲み干した。
傍らで、初老のランナーが、お汁粉を食べながらボランティアのスタッフと

「ゆっくりして行きたいけどそうもしてられないんだよ。」

と、笑顔で話している。

一見余裕綽綽に見えるが今ここにいるということは、関門ぎりぎりの筈である。きっと楽な状態で無いに違いない。窮地に落ちいった時程、人の度量が判るものだが、年令を重ねた人はやはり違うなあと感心した

何人かが、横になりボランティアにマッサージを受けているランナーが数人いた。とても気持ち良さそうで、僕もマッサージの誘惑に強くかられたがそれを受ける時間すらも惜しくて仕方なくその場を離れた

段々歩く割合が、多くなってきた。ウェストポーチから秘密兵器(前々日スポーツクラブで長女、紋佳と長男、翔悟の写真をパウチッコして貰った。)を出した

写真を右手に持ちながら何度も見て走りだす

75kに辿り着く、ラップは、9時間20分33秒、5kのスプリットタイムは、40分11秒、始めて40分台に落ちた。平均脈拍、138.

残り5kを40分切らないと80Kの関門を突破できない

このぺースではだめなのだ。初めて完走出来ないかもしれないという想いが、頭をよぎった。
75k過ぎてからは、1k走るごとにスプリットタイムを確認する。次に残り何キロを何分と考えるのだ。

すると

「誰か、80kの喚問は、何時だか知ってますか?」

突然、後ろから若い男性の声がした。僕は、自分に言い聞かせる様に

「80kの喚問は3時です。80kを過ぎれば残り90kと100kまでは、10kmを90分つまりキロ9分で走ればよいのだからここが、がんばり所です。」

と、答えた。

声の主は、一目でスポーツマンと判る浅黒く日焼けした青年だった。彼は,北海道の江差から家族と一緒にキャンピングカーで参加しに来た今年27歳になる佐藤さんという方でお互いの練習量やフルマラソンのタイムなどを話し合いながら走った。

彼のフルのベストは、3時間後半で、僕より10分近く速い。
話しをすることにより気が紛れていくらか楽になった気がする。

僕が、今年の富士登山競争に出ることを話すと彼もいずれ是非出場したいと情熱的に話していた。

80k手前で彼の家族が手を振って応援している。彼も、手を挙げそれに応える

僕は、右手に握り締めた子供達の写真に目をやったが、やはり実物の方が、効果的の様な気がする。すごくうらやましい!
北海道を始めとする雪国のアスリートは、冬をどのように過しているのか以前より気になっていたため

「冬は、どうしてるんですか?」

と、質問すると

「冬は、山に行ってます。」

との答が、返ってきた。冬は、独りで冬山登山をしているとの事でご家族からは、

「危ないので止めてくれ!」

と言われているらしく、時々雪山で遭難しているニュースを聞くからなんて思っていると

「冬は、熊が出るんですよ」

この答には、さすが北海道だなと感心してしまった

直進すればゴール、左に曲がればワッカの原生林の角に辿り着く。当然僕達は、左に曲がらなければならない。向こうからワッカの原生林からおり返してきたゴールまであと僅かのランナー走ってくる。あと少しで完走できる彼らがうらやましいが、今の僕には、80kmの関門をクリアすることが先決である。

僕達は、吸い込まれるようにワッカの原生林の手前にある雑木林にはいったけど関門は、まだ見つからない・・・




サロマ湖100kmマラソン 21

60k手前より原先生の調子が出て来たらしく僕を引き離し始めた。
60kのラップは、7時間28分15秒、5kのスプリットタイムは、38分03秒、脈拍131.
60kポイントを過ぎて左側にある盾看板が目に入った。

”次の70kの喚問は、13時45分です”

スタートしてから何時間経ったかは、把握していたが、今、何時なんて感覚は、一度も感じたことが無かった

セイコーパルスグラフのボタンを押し現在時刻を確認する。12時30分だ!すると10k1時間15分を走ればよいのか・・と、思いながら機械的に脚を前に出す。

そういえばいままで出場した大会で関門を気にした事もないし引っ掛った事はない。
関門や制限時間はあっても主催者側も走らせてくれること殆どだ。
交通規制があるような大会などは、歩道を走る様な指導は、あるのだが・・・
辛そうに走る女性ランナーが、

「70kの関門は、何時ですか?」

と、声を掛けてきた。僕は、関門が、13時45分であることとキロ7分で通過可能であると説明しそこを離れた。

後ろから僕と同い年位の人懐っこい顔をした男性が、近寄って来た
何処かで会ったことが・・・と考えていると思い出した

富士五湖チャレンジ80kに参加していた内のひとりだ。富士五湖80kmでは、一度も会話を交わしていないが同じ走力のランナーとしてもちろん競争していた訳ではないが、抜きつ抜かれつをしていたことを思い出した。

「連れの方は、?」

「少し先を走ってます。」

と、答える僕。先行する原先生の姿は、確認できるがだいぶ先を走っている。

「僕は、始めてなんですがサロマは、何度目ですか?」

富士五湖80kも出場しサロマも出るなんてベテランランナーに違い無いと思い込んで質問する僕。

「私も始めてなんです。」

「そうですか。」

答える。僕は、心の中で

「そうか、僕の計画した一ヶ月前に富士五湖80kに出場し6月にサロマに初めてチャレンジする人は、少なくないのか。」

と自分の立てた計画に自信を持った。そういえば夜久さんも富士五湖80kに出場してたっけなどと思っていると、彼は東京の練馬区よりの参加で同じ東急リゾート宿泊しており昨日も夕食時に僕達は、彼にチェックされていたみたいだ

彼も友人が出場していたが、55kでリタイヤしてしまったそうで緑館で友人を待っていたため60kの喚問をぎりぎりに通過して来たそうだ

彼は、制限時間ぎりぎりでいくと70kまでの10kは、1時間10分、80kまでの10kは、1時間15分、90k、100kまでの10kは、90分づつで走らなければならない事を説明してくれた。

65kのラップは、8時間04分32秒、5kのスプリットは、36分16秒、脈拍141。

彼は、僕に比べると大分余裕がありそうで早いペースで走り僕を引っ張っていってくれる。
ここで僕は50k以降からキロ表示が、何故1キロ毎となっている理由がやっと判った

僕達の様な完走が目標のランナーにとってぎりぎり関門をクリアするため1キロ毎表示は、
ペースを掴む意味で極めてありがたいのだ。
彼は、1キロ6分台で走るが、今の僕には辛いペースだ。セイコーパルスグラフに目をやると脈拍140を超えている。オーバーペースと思い、彼には先に行く様に促した

70kの少し手前、前方に海産物を売っているスーパーマーケット(堀切り)の前でおしぼりを配っている。

私設のエイドステイションである。今まで出場した大会で色々な私設のエイドがあったが、飴や飲み物が殆どでおしぼりは、初めての経験だ

更に御丁寧におしぼりは、冷たいのと暖かいのが用意されており好きな方を選べるのだ。
僕は、迷わず暖かいおしぼりを威勢のよいおばちゃんから貰い顔を拭く、本当に気持ち良い、生きかえるようだ

これほどグッドタイミングなエイドは、初めてだ。ただ、感謝!
70kmのラップは、8時間40分21秒、5kmのスプリット35分49秒、平均脈拍、142
5分余裕をもって関門をクリアした

レースは、終盤へ~



本題とは関係ありませんが、わが家の駄犬のコスプレです

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週末の佐竹選手

土曜日は、公園を10km位走っていつも通りの忙しい外来・・・
みなさんインフルエン竿ワクチンが、不足気味なので希望者は、なるべく早く接種するようにしてくださいね

午後の外来終わって溜まっている紹介状の返事やら書い後にいそいそと家路に
理由は、さたけクリニックの忘年だからです
家に帰って着替えて急いで天王洲へ

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スタッフの幹事が、選んでくれたハイカラなレストラン

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僕が、ついた時は、まだダレも来ていないので写真をパチリ

ビンゴゲームなどで盛り上がりお酒も飲み過ぎて写真を撮ることも忘れてしまいました
何とかタクシーを拾って家路につきました

次の日は、お約束の二日酔いでしたが、10km走ってそれから大森医師会の休日診療所でお仕事です
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インフルエンザや胃腸炎の患者が、ひっきりなしに来院してあっという間に夕方を迎えました

休む間もない週末でした
プロフィール

走るお医者さん

Author:走るお医者さん
東京都大田区で開業している町のお医者さん
平成6年長女が、生まれたことを契機に一念発起してジョギングを開始!
フルマラソンのベストタイムは、3時間21分!
ウルトラマラソン100kmも年一度挑戦し完走!
基本的には、タイムを狙うというより仲間とおしゃべりジョギングを早朝や週末にジョギングを楽しんでいます。

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